皆さん!物事上達したくありませんか?楽器でもスポーツでも、はたまた人前での話し方でも、あらゆるジャンルで応用できる物事上達方法を紹介したいと思います。教えてくれるのはこの本です。
書名:稽古の思想
著者:西平 直
発行者:神田 明
発行所:㈱春秋社
この中でも特に、私の厳選おすすめテクニックを2つ紹介します。1つが離見。こちらは世阿弥の教えです。なんのこっちゃという方もいるかと思いますが、詳しく解説してくれています。2つ目が力を抜く。なんか急に簡単。それだけ?と思った方も多いと思いますが、この力を抜くという事が難しい。その抜くことについて具体的な方法も記載してくれております。私の感想を含めてこの2点について紹介します。
離見
これは世阿弥の教えです。世阿弥は誰かと言うと室町時代に能をやっていた人で、「無心に舞う」ことを求め続けた名人です。この人の教え・秘伝のひとつがこの「離見」です。どういう事かというと、自分の姿を外側から見ること。他者の目で自分を見ることです。補足すると、演じている自分がいて、その自分を見ている観客の目として客観的に自分を見ること。これが「離見」です。
少し脱線しますが「3つの視点が大切」と言われる方もいますね。
- 自分自身の視点
- 相手からの視点
- 上空からの視点
この上空からの視点は俯瞰して見る。俯瞰とは広い視点で物事を見るという事です。
現代に生きる我々は、技術進歩のお陰で、表面的にはこの3つの目が可能な環境にありますね。ラッキーですよね。第一の目は勿論自分自身の目。第二の目はカメラの録画機能。そして、第三の目はドローンですね。今度ウクレレの弾き語りを上空からのアングルで撮ってみようかと。あんまり意味ないか。
でも、距離感のあるスポーツだったら有効ですよね。野球・サッカー・武道などなど。撮影トライしてみようかなぁ。あと、この第三の目について補足しますと、ドローン作戦はあくまでも表面的な物になりますので、実際の教えは俯瞰という、もっと大きな観点で捉えなければなりませんね。ドローンは、あくまでも表面的な捉え方の方法になります。
以上が離見になります。これが出来れば「物事上達」間違いありません。ただ、これを実際にやるのは難しいですよね。そんなの無理~。って私も思います。実践は難しいですが、この離見の考え方を知ること、そしてそれを意識するだけでも、物事上達できると私は思います。皆さん。是非「離見」試してみてみて下さい。
力を抜く
これだけ言うと簡単ですけどね。これが難しい。わたくし学生時代に部活をやっていた時から、そして今でも・未だに力んでるよ・力んでるよって言われるのです。わかっちゃいるけど、力の抜き方がわからないのです。
でも、この本が教えてくれました。初めから「力を入れない」のではない。力を入れておいて「力を抜く」。そして、その「力が抜ける」時の感覚を、身体に染み込ませる。あるいは、「力が抜ける」機会を利用して自分の体のバランスを整える。それを稽古で繰り返す。
ポイントは、初めから「力が抜けている」ことが大切なのではないんです。初めは力んでて良いんです。力を入れておいて力を抜く。その反転する動き、これが重要だったんです。クゥ~!30年前の自分自身に伝えた~い。若い方、是非やってみてみて下さい!
最後に、この本の中に出てくる私の大好きなフレーズを2つ紹介します。
「物と一体となる」
名人は楽器を操作するのではなく、身体ごと楽器になってしまう。
「筆おのずから動く」
私が筆を動かすのではない、筆が私の手を通しておのずから動く。
これってすごくないですか?それどういう状態?身体ごと楽器って!筆が勝手に動くって!ここまで行ったら物事上達した先の極みですよね。そこ目指していきたいですね。
とにかくこの本。内容が深いです。今回ほんの一部の紹介になりましたが、他にもまだまだ有益な話が書かれています。稽古とは何ぞや、はたまた、「わざを習う」と「わざから離れる」とか、とかとか、物事上達を目指すには、とにかくおすすめです。気になった方は是非、手に取ってみてみて下さい。 このブログが皆さんの「物事上達」に繋がると嬉しいです。
それでは、失礼します。